短くても旨いもの

麺の魅力って何でしょう。
コシ、という人がいますね。
のどごし、という人もいます。

モチモチとかツルツルとか、これはのどごしの仲間ですね。
ストレートとか縮れとか、これは・・・表面形状・・・?
あとは太さ。細くてストレートとか太くて縮れとか・・・
太くて縮れてたら食べにくそうですね。

でも大切な要素がもうひとつ残ってますよ皆さん。

長さです。
私としては長すぎず短すぎず、ズズッとひといきで吸い込めるのが理想です。
途中で噛みちぎるのは粋じゃないですね。
かといって頑張って吸い込み続けて「ごふッ」となるのも粋じゃない。
やはり長さは大切なのです。

私の実家が毎年ひやむぎを送ってくれるのですが
昔ながらの製法で作られたそれはとにかく長い。
長すぎるといってもいいくらい長いのです。
それでもむせずに食べることができているのは、
冷やで食べられるからなのでしょう。
数本をツユにつけて勢いよく一気に吸う。
熱くて長かったらこんなワザ使えません 。
普通の麺のつもりでたくさん取るとツユが溢れるので要注意。

そんなわけで長すぎる麺には若干の対応力がある私ですが
先日、短すぎる麺と遭遇しました。
定食屋さんで出会ったそれは短い。とにかく短い。5センチから10センチあるかないか。
もう麺と呼んでいいのかどうか躊躇うほどのシロモノです。

中国には刀削麺というのがあって、小麦粉を練って固まりにしたものを
刀で削りながら茹でて食べます。これも10センチあるかないか。
しかし場所が中国ですから戸惑うことはないわけです。
「足のあるものはテーブル以外、飛ぶものは飛行機以外なんでも食べる」
そう表現されるほど食に対してガッツのあるお土地柄。
そんなところで短すぎる麺に出会ったって驚きはしません。

しかしここは日本。
短すぎる麺の扱いに慣れていない私は、
ぎこちない手つきで麺をかきこみ店をあとにしました。
リアクションを試されているのかと思って緊張しましたが、
誰も見ていなかったようなので余計にモヤモヤしました。
味は良かったんですけどね。

麺を楽しむために大切な要素がはっきりしました。

「そこそこに長さがあること」
今後はこのあたりに注意して食事を楽しむことになりそうです。

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