顔に出てるもの

実るほど こうべを垂れる 稲穂かな

事務所の近くの田んぼの稲穂も、だいぶ垂れてきました。
実っているのでしょう。彼ら、日に日に謙虚になっていきます。

実っていることに気づいているのは、稲穂自身だけではありません。
チュンチュン鳴きながら毎日様子を見に来ている雀たちもまた、
稲穂の実り具合には敏感なようです。

先日、田んぼの横を通ったときのことです。
ものすごいチュンチュンの大合唱が聞こえました。
こりゃ雀だなと思って立ち止まってみたのですが
声はすれども姿は見えず。
でも猛烈にチュンチュンしているのです。かなりの勢い。
一体どこに?と目を凝らして見たら、いるわいるわ。
こうべを垂れはじめた稲穂の隙間にワンサカいました。
彼ら、お米を食べています。がんばって食べてる感じがひしひしと伝わります。

私は孫を眺める老人のような気分で、彼らの食事風景を見守っていました。

10秒ほど経ったでしょうか。
一羽の雀が私に気づきました。そして仲間に知らせたのです。
おい、怪しい奴がいるぞ。
こっち見てニタニタ笑ってるぞ。
やばい。逃げよう。

そんなやりとりがあったかどうかは知る由もありませんが
とにかく彼らは行動に出たのです。

バサバサー!

みんな一斉に飛び立ちました。
平家なら、その羽音で逃げ出すほどの勢いで。

・・・・・・

そんな悪人には見えないはずなんですけどね。
私も年月を経てそれなりに実り、その結果が
「雀が逃げ出すような人相」なのだとしたら
もう、こうべを垂れるしかありません。もちろん人相を隠すために。

雀に好かれる人物めざしてがんばれ私!

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