旧暦になじめない

正月、今年は何日からだったかな。
人々がそんなことをシラフで言い合う世界があります。
彼らはボケているのではありません。
もちろん泥酔しているのでもありません。

そう。それは旧暦で正月を祝う世界での会話。
東アジアから東南アジアにかけての一部の国々では、正月は旧暦なのです。

江坂あたりでノホホンと暮らしているとあまり感じませんが
この旧暦、実はかなりの大イベントです。
春節前後、中国などはいわゆる大型連休に突入します。
人々は帰省し、旅行に出かけ、その様子ときたらまさに民族大移動。
日本にやってくる人も多く、お店やホテル、さらに観光スポットは
中国人だらけ。もちろん香港・台湾も負けていません。
大阪でもあちこちで「アイヤー」の声を聞くことができるでしょう。

20年以上も昔の某年2月。
私は春節まっただなかの北京に降りたちました。
春節とかまったく知らず。
たまたまその期間に自分のスケジュールと
格安航空券の都合が合致したからという理由での旅程でした。

道路は渋滞。バスは満員。
どこもかしこも人だらけ。天安門広場は広くて寒い。
それでも、まあそんなもんだろと思っていたのですが
鉄道に乗ろうと北京駅に行ったところで現実を知りました。
人だらけ。人だらけという言葉以外に何も出てきません。
切符は手に入らず、高額な国内線飛行機でさえ入手困難。
指定席は既に無く、やっとの思いで手に入れた自由席は
座る場所など皆無でした。
客席部分まで行くこともできず、車両の連結部分になんとかスペース発見。

超満員列車で立ったまま8時間過ごしたことがありますか?
しゃがむこともできないぎゅうぎゅう状態で、頭上をニワトリが飛んでいく。
人だけならまだしもニワトリまで!
命からがら目的駅までたどり着いたとき、
胸ポケットに入れていたボールペンが折れていることに気づきました。
ボールペンが折れるほどのぎゅうぎゅうって一体どんなだよ!

中国では今でもこんなことやっているのでしょうか。
お金を持っている人は日本に遊びに来るでしょうが、
普通の人たちはきっと今年も満員列車に乗って帰省するのでしょう。

今年の春節は2月19日。
あちこちで阿鼻叫喚の壮絶なドラマが繰り広げられると思うと
ちょっと面白いというか、気の毒というか。
そんなドラマに比べたら江坂の寒さなんてぬるま湯みたいなものです。

やまざき社労士は最近寒さが身にしみるので
焼酎のお湯割りがお気に入りだそうです。
私は歯が知覚過敏なので冷たい空気で歯がしみます。

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