春眠暁を覚えず

眠いわけないのに眠い!

パソコンを見つめながら意識を失いかける人が続出しています。
私もそのひとりです。
画面がまっしろになったと思ったら
数字がすべて8に見えたり、小さい「つ」の出しかたが
わからなくなって驚いたりしています。
春は眠いもの。
昼も夜も、何をしていても眠いものです。

春眠暁を覚えず。
春の夜はあまりに気持ちがよくて、つい寝過ごしてしまう
朝が来たことにも気づかないほど眠りこけてた
そんな意味ですね。
決して、パソコンをみてたら気絶したよ参ったな
そんな意味ではないので気をつけましょう。

しかしこの言葉、元々はそんなノンビリした意味ではないのですよ。

むかしむかし、中国の北方には戦闘力の高い騎馬民族がいました。
今でもいます。その末裔たちは日本にもやってきて、相撲界を席巻していますね。
彼らは強かった。
そして馬を自在に操ることで、すばらしい機動性を持っていました。
しかし彼らの土地は緯度が高く、冬が長く夏が短い。
さらに降水量も少ないため農耕には不向きときたら、これはもう、狩るしかない。
冬のあいだ、彼らの土地は雪と氷に閉ざされます。
しかし、春になり雪が融ければ。馬が大地を踏みしめて走ることができれば。
これはもう、狩りの始まりです。
現在の中国にあたる地域は多くが平野です。
平野に暮らす人々は経験から知っていたのです。
春になると、奴らがやってくる。おなかをすかせて。
飢えた眼をカッと見開いて、おなかをすかせた馬にまたがって。
だから備えろ。春になると奴らがやってくる。
春、気持ちいいわーとか言ってノンビリ寝てると、やられてしまうぞと。
ウトウトしてたら、朝を迎えることなくやられてしまうぞと。

どうです?目が覚めたでしょう?

私がこの話を聞いたのは、たぶん20年ほど前のことです。
誰に、どんな流れで聞いたのかは忘れてしまいました。
しかし内容が鮮烈で目からウロコが落ち、なるほど確かになと感じ入り
大陸に生まれなくてよかったと安堵したものでした。

先ほどネットで少し探したのですが、この説はあまり知られていないようです。
もしかして私は幻をみたのでしょうか。都市伝説なのかもしれません。
でも、あの力士たちの姿を見るにつけ
あの人たちが春にやってくると思うと、
やっぱりウカウカ寝ていられないなと思うのです。

やまざき社労士は、季節に関係なく夜明け前に目が覚めるそうです。
それを老化と呼ぶか、襲来に備えた警戒と呼ぶか。難しいところです。

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