暑さ寒さも彼岸まで。
大阪の夏はすでにピークを過ぎたようです
日中はまだ暑いものの、ジリジリくる暑さはやわらぎ、
朝晩の風には少しだけ涼しさを感じることもある8月後半。
あんなに鳴いていたセミたちが姿を消し、
街は静けさを取り戻しつつあります。
とはいってもまだ暑いですけどね。ベタベタしますけどね。
30度くらいじゃ全然平気です。むしろ涼しいくらい!
そんなわけないはずなんですけどね。
暑すぎる山頂を越えた私たちには、30度やそこら、まだ5合目くらいのものです。
山頂(ピーク)から見た景色にくらべたら、盆明けの朝なんて涼しい涼しい。
暑い地域に暮らす人は、習慣として辛いものをよく食べます。
体内にこもった熱を、辛いものをたべて発汗することで体外に放出するそうです。
つまり味は二の次。一番大切なのは汗をかくこと、というわけです。
タイ料理は辛いものが多いのですが、これも汗をかくため。
熱を放出する目的にしては美味しすぎる気がしますが、
タイ人もきっと「つい美味しくしてしまう」のだと私は考えています。
日本人同様、無意識にベターを求めてしまうのではないでしょうか。
そうでなければ、タイ料理のあの美しい盛り付けや
硬軟とりまぜた素材の組み合わせの妙などは生まれないはず。
汗をかいておしまい、だと物足りないのでしょう。
汗をかくことを最優先にした結果、辛さの追求が最終目的になってしまう例もあります。
ずいぶん昔のことですが、中国の四川省で食べた料理の数々が
まさにそのパターンでした。
おかずに唐辛子の粉末をドバー。表面赤。
麺類に唐辛子の粉末をドバー。表面赤。
温かい料理に唐辛子。冷たい料理に唐辛子。
辛い鍋料理。ただでさえ辛いベースに、さらに辛い薬味を追加。
汗は出る。でも舌が痺れて味がわからん!そんな状態でした。
四川出身の人に聞くと、「辛い=うまい」なんだそうで、辛くないと美味しくないとのこと。
四川省は盆地になっていて、夏は暑さが厳しく身体にこたえます。
刺激の強いものを食べて元気を出そうという発想なのでしょうね。
美しい盛り付けを求めるのは酷というものかもしれません。
日本で食べる四川風麻婆豆腐。あれは旨すぎます。美しすぎます。
8月某日、江坂のはずれに一軒の餃子屋が開店しました。
一見すると餃子ラーメン中心のファミリーレストラン。
私は、こりゃ中国的要素のない、万人受けする餃子だろうと推察しました。
推察するだけして、食べに行く機会はなかなかやって来なかったのですが
先日思いがけず機会に恵まれ行ってみました。
メインは焼き餃子。ラーメンやチャーハンもありますが、店のイチオシは餃子です。
とりあえず餃子とその他数品を注文し、待つこと数分。
万人受けするおいしい餃子が来ました。期待通りの餃子です。
おいしい。でも物足りない。
そこで私は気付いたのです。そうか、刺激かと。
暑い夏、おいしく食事をするためにはやはり刺激が不可欠でした。
ラー油をドバドバかけて、やっと私は落ち着いた気持ちで餃子を味わったのです。
もうしばらく暑い日が続きます。
辛いものを食べて元気を出しましょう。
辛さに飽きたら甘いものも食べましょう。
もちろん水分の摂取も忘れずに。